慢性頭痛をあきらめない

頭痛には、1次性頭痛(慢性頭痛)と別の病気が原因で起こる2次性頭痛があります。命の危険や後遺症を残す心配がある頭痛は2次性頭痛です。ほとんどの頭痛は心配のない慢性頭痛(いわゆる頭痛持ち)ですが、危険な頭痛の見極めは大切です。一番のポイントは「初めて経験する激しい痛み」であるかどうかです。その場合は命に関わる重大な病気が疑われます。専門医を受診して、診断・治療を受けることが大切です。
一方、繰り返して起こるいつもの痛みであれば慢性頭痛です。頭痛の種類によっては薬が非常によく効きます。慢性頭痛は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛に分けられます。偏頭痛の症状は特徴的で、「ズキンズキンと脈打つように痛む、吐き気や嘔吐を伴う、光や音やにおいに過敏になる」の3つです。痛みの前にキラキラ、ギザギザした万華鏡のような光が見える、独特のにおいがするなどの特有の前兆がある場合もあります。この片頭痛はトリプタン製剤が特効薬で、頭痛はいっぺんに治ります。緊張型頭痛は、全体の70%を占める最も多い頭痛です。頭の両側をぎゅっーと締め付けられる様な痛みで、市販の鎮痛剤でも効果があります。まれですが強烈なのが、群発頭痛。激しい痛みなのでほとんどの人が病院に駆け込みます。最大の特徴は、片側の眼の奥の耐え難い痛みです。痛む側の眼が充血して涙が出たり鼻づまりや鼻水があるので、顔を見て診断がつく頭痛です。この痛みは、眼に何か突き刺さったような、あるいは眼球をえぐられるような痛みを訴えます。高濃度の酸素投与かトリプタン製剤の点鼻薬で治療します。
片頭痛のセルフケアとして、誘因となる赤ワイン・チーズ・チョコレートはなるべくとらないようにすることが予防にもなります。
(マイタウン H.26年4月掲載)

Column
百合ヶ丘 いしだクリニック-川崎市麻生区の脳神経外科・頭痛外来・内科