未破裂動脈瘤

脳の動脈、特に分岐部がコブ状に膨らんだ状態、これを脳動脈瘤と言います。未破裂脳動脈瘤はこのコブが破裂しないままの状態です。このコブが破裂するとくも膜下出血です。約半数の人が生命に関わり、社会復帰できる人は3人に1人です。破裂する前は症状がありませんから自分では気付きません。しかし脳ドックの普及に伴い発見される機会が増えています。一般に人口の2~6%の人が脳動脈瘤を持っています。このうち、コブの最大径が5mm以上ある場合が治療の対象になります。理由は年間の破裂率が1%以上あるからです。くも膜下出血を予防するために、コブの根元をクリップで挟んで血流を遮断する手術と、マイクロカテーテルを用いた血管内治療があります。重要なことは未破裂脳動脈瘤の治療は、くも膜下出血の予防ですから、信頼できる脳外科医に相談することです。特に高血圧治療と禁煙は必ず実行してください。
(マイタウン H.30年2月1日号掲載)

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百合ヶ丘 いしだクリニック-川崎市麻生区の脳神経外科・頭痛外来・内科